導入部分
HUNTER×HUNTER屈指の名エピソード「ヨークシンシティ編」。クラピカが主役となり、因縁の敵・幻影旅団との命を賭けた戦いが描かれます。この編は、念能力バトルの駆け引き、キャラクターの心理描写、そして予想を裏切る展開の連続で、多くのファンが「最高傑作」と評する章です。この記事では、ヨークシンシティ編の魅力を、ネタバレありで徹底的に語ります。復讐に燃えるクラピカの戦い、そして旅団メンバーたちの人間性。この編を読まずしてHUNTER×HUNTERは語れません。
✓ この記事でわかること
- クラピカの復讐と念能力「鎖の中指(チェーンジェイル)」の全貌
- 幻影旅団メンバーの個性と仲間への絆
- クラピカVSウボォーギン、ゼノ&シルバVSクロロなど名バトル
- パクノダの自己犠牲と涙の結末
- なぜこの編が「最高傑作」と呼ばれるのか
📖 読了時間:約12分 | おすすめ度:★★★★★(ファン投票No.1の神エピソード)
基本情報
【ヨークシンシティ編 基本情報】
- 収録:単行本8巻〜13巻(第64話〜第119話)
- 主要キャラ:クラピカ、レオリオ、ゴン、キルア、幻影旅団(クロロ、ウボォーギン、ノブナガ、マチ、フィンクス、フェイタン、シズク、パクノダ、シャルナーク、フランクリン、コルトピ、ボノレノフ)、ネオン、センリツ、ゼノ、シルバ
- テーマ:復讐と正義、仲間の絆、命の価値、憎しみの連鎖
- 舞台:ヨークシンシティ(世界最大のオークション都市)
あらすじ
※ここから先、ヨークシンシティ編のネタバレを含みます
天空闘技場での修行を終えたゴンとキルアは、9月1日にヨークシンシティでクラピカ、レオリオと再会する約束をしていました。
クラピカは、クルタ族を皆殺しにした幻影旅団への復讐のため、念能力を習得し、マフィアのボディーガードとして働いていました。彼が護衛するのは、ノストラード組の令嬢ネオン。彼女の予知能力を利用して、クラピカは旅団の情報を得ようとします。
一方、幻影旅団もヨークシンシティに現れます。目的は、世界最大のオークションを襲撃し、財宝を奪うこと。そして偶然にも、オークションにはクルタ族の「緋の眼」が出品される予定でした。
こうして、クラピカと幻影旅団の因縁の対決が始まります。ウボォーギンとの一騎討ち、クロロの捕獲、そしてパクノダの決断。復讐と友情、憎しみと絆が交錯する、壮絶な戦いが描かれます。
最終的に、クラピカは旅団のリーダー・クロロを捕らえることに成功しますが、パクノダの自己犠牲によって人質交換が成立。クラピカの復讐は完遂されず、物語は次の章へと続きます。
この編の見どころ
見どころ1:クラピカの成長と覚悟
ヨークシンシティ編の主役は、間違いなくクラピカです。
ハンター試験編では冷静沈着なサポート役だったクラピカですが、この編では復讐に燃える戦士として描かれます。クルタ族を皆殺しにした幻影旅団への憎しみを胸に、クラピカは自らの命を削る念能力を開発しました。
クラピカの念能力「鎖の中指(チェーンジェイル)」
- 旅団メンバーにのみ使える強制絶状態の鎖
- 使用対象を旅団のみに限定する「制約と誓約」により、絶大な威力を発揮
- 心臓を止めることもできる恐ろしい能力
- もし旅団以外に使えば、自分が死ぬという究極の制約
この能力は、クラピカの覚悟の表れです。旅団への復讐のためなら、自分の命さえ賭ける。その一途さが、クラピカというキャラクターの深みを与えています。
見どころ2:幻影旅団の魅力
この編で初めて本格的に登場する幻影旅団。彼らは単なる悪役ではなく、それぞれに魅力と人間性があります。
ウボォーギン:強化系の怪力戦士。クラピカとの一騎討ちで散る
ノブナガ:ウボォーギンの親友。仲間の死に涙する人間味
マチ:冷静だが仲間思い。ヒソカとの複雑な関係
フェイタン:拷問好きの小柄な戦士。圧倒的な戦闘力
パクノダ:記憶を読む能力者。最後に仲間のために命を散らす
クロロ:旅団のリーダー。冷徹だが仲間を大切にする
特に印象的なのが、旅団メンバーたちの「仲間への想い」です。ウボォーギンが殺されたとき、ノブナガは涙を流します。クロロが捕らえられたとき、旅団は全力で救出を試みます。
彼らは大量殺人を犯す悪党ですが、仲間への絆は本物。この複雑さが、幻影旅団というグループの魅力です。
見どころ3:念能力バトルの駆け引き
この編では、念能力バトルが本格化します。
クラピカ vs ウボォーギン:
- 強化系の圧倒的パワーと、具現化系の搦め手の戦い
- クラピカの冷静な分析と戦略が光る
- ウボォーギンの最期のセリフ「オレを殺した奴の名を知りたい」が印象的
ゼノ&シルバ vs クロロ:
- プロの暗殺者とプロの盗賊の戦い
- 能力の駆け引きと経験の差
- 「仕事」として割り切る暗殺者の美学
クラピカ vs クロロ:
- 直接的な戦闘ではなく、人質を使った心理戦
- クロロを捕らえるクラピカの作戦の巧みさ
単なる力比べではなく、知恵と戦略、そして心理戦が重視されるのがこの編の魅力です。
見どころ4:パクノダの決断
この編のクライマックスは、パクノダの自己犠牲です。
クロロを救出するため、パクノダはクラピカと人質交換に応じます。しかし、クラピカは念能力でクロロとパクノダに制約をかけます:「旅団メンバーと接触してはならない。破れば死ぬ」
パクノダは悩みます。クロロを救えたが、クラピカに関する重要な情報を旅団に伝えられない。仲間を守るためには、この情報が必要だ。
最終的にパクノダは、クラピカの制約を破り、記憶弾で情報を旅団メンバーに伝えます。そして、その代償として死亡。
この決断は、パクノダの仲間への愛情と覚悟を示しています。自分の命より、仲間の未来を選んだのです。
見どころ5:ゴンとキルアの成長
この編では、クラピカが主役ですが、ゴンとキルアも重要な役割を果たします。
ゴンの純粋さと危うさ:
- 旅団メンバーと接触し、彼らの人間性を感じ取る
- 「悪い奴だけど、仲間思いなんだ」という複雑な感情
- 単純な善悪では割り切れない世界を知る
キルアの冷静さ:
- ゴンを守るために的確な判断
- 旅団との戦いでは、逃げることを選ぶ冷静さ
- まだイルミの針の影響下にあり、強敵から逃げる癖
この編で、二人は「世界は単純ではない」ことを学びます。
印象に残った名シーン・名言
ウボォーギンの「クロロ、今までくらったどんな奴の・・・どんなパンチより、今日のお前のが一番効いたぜ・・・!!」
クラピカに敗れ、死の間際に念でクロロに伝えた言葉。仲間のリーダーへの想いと、敗北の痛みが込められています。この一言が、ウボォーギンの仲間への絆を物語ります。
クラピカの「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)はお前達にしか使わない能力!!旅団を捕えその自由を奪う!!そのためだけの能力!!」
クラピカの復讐のために作られた念能力の宣言。旅団だけに使える制約をかけることで、絶大な威力を得ました。この一言が、クラピカの覚悟と復讐への執念を物語ります。
ノブナガの「あいつが戦って負けるわけがねェ、汚ねェ罠にかけられたに決まってる!!」
ウボォーギンの死を知ったノブナガの叫び。親友が正々堂々と負けるはずがないと信じる気持ちが表れています。この一言が、旅団メンバーの絆の深さを示しています。
パクノダの「お願い、私で終わりに・・・」
パクノダが最期に放った言葉。クラピカの制約を破り、記憶を旅団に伝えることで自分の命を犠牲にします。仲間を守るために自分の命を選んだ彼女の覚悟が、この一言に込められています。
クロロの「ウボォーさん聞こえますか?オレ達から貴方への鎮魂曲(レクイエム)です」
ウボォーギンの死後、クロロが旅団メンバーとともに捧げる鎮魂の言葉。冷徹なリーダーのように見えて、実は仲間を誰よりも大切にしている。この一言が、クロロの仲間への想いを物語ります。
センリツの「わかってないわよ!あなたの無謀な追跡のせいで2人が危険にさらされているのよ!!」
クラピカの無謀な復讐行動を心配するセンリツの叫び。念能力で心音を聞けるセンリツは、クラピカの怒りと同時に、仲間を思う優しさも感じ取っていました。この一言が、クラピカへの心配と友情を示しています。
キャラクター分析
⛓️ クラピカ:復讐者の光と闇
クラピカは、この編で最も苦悩するキャラクターです。
**復讐に燃えながらも、完全には憎しみに染まりきれない。**ゴンやキルアとの友情、レオリオの言葉、そしてセンリツの優しさが、クラピカを人間として繋ぎ止めています。
緋の眼を発動すると、クラピカは特質系になり、**全系統の念能力を100%使えるようになります。**しかし、その代償として寿命を削ります。まさに「命を削る復讐」です。
この編の最後、クラピカは復讐を完遂できませんでした。しかし、それはクラピカにとって救いだったのかもしれません。復讐だけの人生から、少し離れることができたのですから。
💔 悲しい運命: 緋の眼を使うたび、クラピカの命は削られていく。復讐の果てに、彼に何が残るのか…?
📖 クロロ=ルシルフル:盗賊のリーダー
クロロは、幻影旅団のリーダーとして、冷静で知的なキャラクターです。
念能力「盗賊の極意(スキルハンター)」は、他人の能力を盗んで使う能力。この能力は、クロロの賢さと柔軟性を象徴しています。
クロロは冷徹に見えますが、仲間を誰よりも大切にしています。「旅団が先だ」と常に言いながらも、仲間が自分を救おうとすることを止めません。このツンデレ的な性格が、クロロの魅力です。
⭐ リーダーの覚悟:「ウボォーさん聞こえますか?オレ達から貴方への鎮魂曲(レクイエム)です」── この一言に、クロロの仲間への想いが詰まっています。
💐 パクノダ:記憶を読む女
パクノダは、旅団の中でも特に仲間思いのキャラクターです。
念能力「記憶弾(メモリーボム)」は、記憶を読み取り、他人に伝える能力。この能力は、パクノダの「人との繋がり」を重視する性格を反映しています。
最期にクラピカの制約を破ってまで情報を伝えた行動は、パクノダの覚悟と愛情の表れです。自分の命より仲間の未来を選んだ彼女は、旅団の中で最も美しい魂を持っていたのかもしれません。
😭 涙腺崩壊: パクノダの最期。「お願い、私で終わりに・・・」── 仲間のために命を捧げた彼女の決断に、誰もが涙します。
💪 ウボォーギン:強化系の戦士
ウボォーギンは、旅団の中でも特に戦闘狂のキャラクターです。
強化系の念能力を極限まで高め、**肉体だけで戦う純粋な戦士。**バズーカ砲を素手で受け止め、念の込めた拳で人間を粉々にする圧倒的なパワー。
しかし、クラピカの冷静な戦略と制約の力に敗れます。死の間際、ウボォーギンは自分を殺した相手の名を知りたがります。この戦士としての誇りが、ウボォーギンの魅力です。
🔥 最期の一言:「クロロ、今までくらったどんな奴の・・・どんなパンチより、今日のお前のが一番効いたぜ・・・!!」── 仲間への想いを示すウボォーギンの絆の深さ。
🎵 センリツ:優しき音楽家
センリツは、この編で新たに登場するキャラクターです。
念能力で音を聞き、人の感情を読み取る能力者。クラピカのボディーガード仲間として、彼を支えます。
センリツの優しさと洞察力は、**復讐に囚われたクラピカにとって、心の支えとなりました。**彼女の存在が、クラピカを完全な闇に落ちないように守っています。
💡 心の声: センリツは心臓の音から、クラピカの心に怒りだけでなく仲間を思う優しさがあることを見抜きます。この洞察力が、クラピカを救います。
考察・伏線ポイント
クラピカの緋の眼と寿命
緋の眼を発動すると、クラピカは寿命を削ります。この設定は、後のクラピカの物語で重要になります。復讐のために命を削り続けるクラピカの運命は、どうなるのか…?
クロロの念能力の封印
クラピカはクロロの念能力を封印しました。この封印を解くことが、後の物語(グリードアイランド編以降)の重要なテーマとなります。
ヒソカと旅団の関係
ヒソカは旅団のメンバーですが、実はクロロと戦いたいがために加入しています。この関係性は、後の選挙編以降で重大な展開を迎えます。
イルミの針
この編で、キルアは強敵(旅団メンバー)から逃げることを選びます。これはイルミが仕込んだ「針」の影響です。この針は、後のキメラアント編で重要な意味を持ちます。
クルタ族の緋の眼
クルタ族の緋の眼は、オークションで高値で取引されています。この眼の行方を追うことが、クラピカの今後の物語の軸となります。
他の編との比較
ヨークシンシティ編は、HUNTER×HUNTERの中でも特に「心理戦」と「人間ドラマ」が際立つ編です。
ハンター試験編や天空闘技場編のような成長物語ではなく、既に成長したキャラクターたちの信念と信念のぶつかり合いが描かれます。
また、幻影旅団という魅力的な敵キャラクターの登場により、「善と悪」の境界が曖昧になります。旅団は大量殺人を犯す悪党ですが、仲間への絆は本物。この複雑さが、この編の最大の魅力です。
個人的には、HUNTER×HUNTERの全編の中でも最も好きな編の一つです。クラピカの復讐劇、旅団の絆、そしてパクノダの自己犠牲。どのシーンも感動的で、何度読んでも面白い。
こんな人におすすめ:
- クラピカが好きな人
- 心理戦や頭脳戦が好きな人
- キャラクターの心理描写を重視する人
- 複雑な人間ドラマが好きな人
- 幻影旅団のファン
ヨークシンシティ編を読むなら
ヨークシンシティ編は以下の巻に収録されています。
- HUNTER×HUNTER 8巻
- HUNTER×HUNTER 9巻
- HUNTER×HUNTER 10巻
- HUNTER×HUNTER 11巻
- HUNTER×HUNTER 12巻
- HUNTER×HUNTER 13巻
まとめ
ヨークシンシティ編は、HUNTER×HUNTERの中でも屈指の名エピソードでした。
クラピカの復讐劇、幻影旅団の絆、そして念能力バトルの駆け引き。全てが高いレベルで融合し、読者を魅了します。特に、パクノダの最期は、何度読んでも涙が出ます。
この編の魅力は、「単純な善悪では割り切れない」ことです。クラピカは正義の復讐者ですが、憎しみに囚われています。旅団は大量殺人を犯す悪党ですが、仲間への絆は本物。この複雑さが、HUNTER×HUNTERという作品の深みです。
次のグリードアイランド編では、ゴンとキルアが再び主役となり、ゲームの世界での冒険が始まります。ヨークシンシティ編のような重厚なドラマとは違い、冒険とゲームの楽しさが詰まった編です!
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