導入部分
ONE PIECEの大きな転換点となった「シャボンディ諸島編」。11人の超新星が集結し、天竜人事件をきっかけに麦わらの一味が離散する衝撃的な物語です。この記事では、シャボンディ諸島編の魅力を、ネタバレありで徹底的に語ります。レイリーとの出会い、天竜人への怒り、黄猿とくまの圧倒的な強さ、そして仲間が消えていく絶望。ONE PIECEが新しい段階へ進む、重要なエピソードです。
基本情報
【シャボンディ諸島編 基本情報】
- 収録:単行本50巻〜53巻(第490話〜第513話)
- 主要キャラ:ルフィ、レイリー、11人の超新星、黄猿、くま、天竜人
- テーマ:力の限界、世界の理不尽、仲間の大切さ、成長の必要性
- 主な敵:黄猿(ボルサリーノ)、戦桃丸、パシフィスタ、バーソロミュー・くま
あらすじ
※ここから先、シャボンディ諸島編のネタバレを含みます
魚人島へ向かう前に、麦わらの一味はシャボンディ諸島に到着します。この島は、シャボン玉で覆われた美しい島で、赤い土の大陸(レッドライン)の手前に位置します。
シャボンディ諸島には、同時期に11人の超新星(億を超える懸賞金を持つ新人海賊)が集まっていました。ルフィ、ゾロ、ロー、キッド、ホーキンス、ドレーク、アプー、ボニー、ベッジ、ウルージ、キラー。後の物語で重要になる海賊たちです。
一味は船のコーティングを依頼するため、コーティング職人レイリーを探します。レイリーは元ロジャー海賊団の副船長で、「冥王」と呼ばれる伝説の海賊でした。
しかし、天竜人(世界貴族)が人魚のケイミーを奴隷として買おうとしたことに怒ったルフィは、天竜人を殴り飛ばしてしまいます。
この行為により、海軍大将黄猿(ボルサリーノ)が派遣されます。さらに人間兵器パシフィスタも現れ、麦わらの一味は追い詰められます。
黄猿はピカピカの実の光人間で、圧倒的な速さと攻撃力を持っています。一味はまったく歯が立ちません。
そこに現れたのは、バーソロミュー・くま。彼はニキュニキュの実の能力で、一味を一人ずつ別の場所へ飛ばしていきます。
ルフィの目の前で、仲間が次々と消えていく。何もできないルフィは絶望し、叫び続けます。
「仲間がァ…!!! 消えちまった…!!!」
こうして、麦わらの一味は離散。それぞれが別の島へ飛ばされ、物語は新しい段階へと進みます。
この編の見どころ
見どころ1:11人の超新星の登場
シャボンディ諸島編の最大の見どころの一つは、11人の超新星の登場です。
- ユースタス・キッド:懸賞金3億1500万ベリー、ジキジキの実の能力者
- トラファルガー・ロー:懸賞金2億ベリー、オペオペの実の能力者
- バジル・ホーキンス:懸賞金2億4900万ベリー、ワラワラの実の能力者
- X(ディエス)・ドレーク:懸賞金2億2200万ベリー、古代種の恐竜人間
- スクラッチメン・アプー:懸賞金1億9800万ベリー、楽器人間
- ジュエリー・ボニー:懸賞金1億4000万ベリー、年齢操作の能力者
- カポネ・ベッジ:懸賞金1億3800万ベリー、城人間
- ウルージ:懸賞金1億800万ベリー、因果晒しの能力者
- キラー:懸賞金1億6200万ベリー、キッド海賊団の戦闘員
- ロロノア・ゾロ:懸賞金1億2000万ベリー
- モンキー・D・ルフィ:懸賞金3億ベリー
彼らは後の物語で重要な役割を果たします。特にローは、パンクハザード編以降、ルフィの同盟者となります。
見どころ2:天竜人を殴る衝撃
ルフィが天竜人を殴り飛ばすシーンは、ONE PIECE史上最もスカッとする瞬間の一つです。
天竜人(世界貴族)は、世界政府を作った20人の王の子孫で、絶対的な権力を持っています。誰も逆らえず、奴隷を所有し、人を虫けらのように扱います。
そんな天竜人を、ルフィは躊躇なく殴り飛ばしました。「仲間を傷つける奴は許さない」というルフィの信念が表れた瞬間です。
しかし、この行為は海軍大将を呼び寄せる結果となり、一味の離散へと繋がります。
見どころ3:黄猿の圧倒的な強さ
海軍大将黄猿(ボルサリーノ)は、ピカピカの実の光人間です。
光の速さで移動し、レーザービームで攻撃する。麦わらの一味はまったく歯が立ちません。ゾロやサンジの攻撃も、黄猿には効きません。
「速いは強い」を体現したキャラクターで、自然系(ロギア)の恐ろしさを見せつけました。
レイリーが黄猿を足止めしますが、それでも一味は逃げることしかできませんでした。
見どころ4:仲間が消えていく絶望
シャボンディ諸島編のクライマックスは、仲間が次々と消えていくシーンです。
くまがニキュニキュの実の能力で、一味を一人ずつ飛ばしていきます。ゾロ、ブルック、ウソップ、サンジ、フランキー、ナミ、チョッパー、ロビン。
ルフィの目の前で、仲間が消えていく。何もできないルフィは、絶望し、叫び続けます。
「誰か…!!! 助けてくれ…!!!」
この絶望が、ルフィの成長へと繋がります。マリンフォードでエースを失った後、ルフィは「もっと強くなる」ことを決意します。
見どころ5:レイリーの過去と覇気の説明
レイリーは元ロジャー海賊団の副船長で、「冥王」と呼ばれる伝説の海賊です。
レイリーは覇気の使い手で、黄猿と互角に戦います。そして後に、ルフィに覇気を教えることになります。
レイリーとの出会いは、ルフィの成長に大きな影響を与えました。
印象に残った名シーン・名言
「海賊王の右腕」(52巻)
レイリーがロジャー海賊団の副船長だと知った時の衝撃。海賊王の右腕が、シャボンディ諸島でコーティング職人をしていました。
「天竜人だろうが何だろうが 友達を傷つける奴は許さねェ!!!」(51巻)
ルフィが天竜人を殴る直前の言葉。権力や地位など関係ない、友達を傷つける奴は誰であろうと許さない。
「おれは…!!! 弱ェ…!!!」(52巻)
仲間を守れなかったルフィが、自分の弱さを認める言葉。この経験が、後の2年間の修業へと繋がります。
「仲間がァ…!!! 消えちまった…!!!」(52巻)
ルフィが絶望の中で叫ぶ言葉。ONE PIECE史上、ルフィが最も無力だった瞬間です。
キャラクター分析
シルバーズ・レイリー:伝説の副船長
レイリーは元ロジャー海賊団の副船長で、海賊王の右腕と呼ばれた男です。
現在は引退してコーティング職人をしていますが、その実力は健在。黄猿と互角に戦い、海王類を気絶させる覇王色の覇気も使えます。
レイリーはルフィの中に、かつてのロジャーを見ています。そしてルフィに覇気を教え、成長を見守ります。
黄猿(ボルサリーノ):海軍大将の恐怖
黄猿は海軍大将の一人で、ピカピカの実の光人間です。
飄々とした性格ですが、その強さは圧倒的。光の速さで移動し、レーザービームで攻撃します。麦わらの一味は、黄猿の前ではまったく無力でした。
黄猿の登場により、一味は「まだまだ弱い」ことを痛感します。
バーソロミュー・くま:謎の行動
くまは一味を離散させましたが、実はルフィたちを助けるためでした。
くまは革命軍の幹部で、ルフィの父ドラゴンの仲間。一味を危険から遠ざけ、それぞれが成長できる場所へ飛ばしました。
しかしこの後、くまは完全にサイボーグ化され、自我を失ってしまいます。くまの犠牲が、後のエピソードで明かされます。
11人の超新星:新世代の海賊たち
キッド、ロー、ホーキンスなど、超新星たちは新世代の海賊として、後の物語で重要な役割を果たします。
特にローは、ルフィの同盟者として、ドフラミンゴやカイドウとの戦いで活躍します。キッドも、ワノ国編でビッグ・マムを倒す重要な役割を担います。
考察・伏線ポイント
くまの真の目的
くまはなぜ一味を飛ばしたのか?後のエピソードで、くまは革命軍の幹部であり、ドラゴンの仲間であることが明かされます。
くまは自らの意思で一味を守り、それぞれが成長できる場所へ飛ばしました。この犠牲が、後に大きな意味を持ちます。
レイリーとロジャーの関係
レイリーはロジャーの右腕でしたが、二人の関係はどのようなものだったのか?
レイリーはロジャーの意思を継ぐ者を待っていました。そしてルフィの中に、かつてのロジャーを見ています。
天竜人の秘密
天竜人は世界政府の最高権力者ですが、なぜそこまで権力を持っているのか?
800年前、20人の王が世界政府を作りました。その子孫が天竜人です。しかし、彼らが隠している秘密があるはずです。
11人の超新星のその後
超新星たちは、その後どうなったのか?
ローやキッドは四皇と戦い、重要な役割を果たします。ドレークは海軍のスパイだったことが判明。ボニーもくまの娘であることが明かされます。
2年間の修業への伏線
シャボンディ諸島での敗北が、2年間の修業へと繋がります。
ルフィはレイリーのもとで覇気を学び、他の仲間もそれぞれの場所で成長します。この2年間が、新世界で生き残るための力となります。
他の編との比較
シャボンディ諸島編は、ONE PIECEの大きな転換点です。
それまで順調に進んでいた一味が、初めて完全敗北を喫します。この絶望が、物語を新しい段階へと進めます。
話数としては短い編ですが、その影響は非常に大きいです。マリンフォード編、2年後の再集結、そして新世界編へと続く流れの起点となりました。
個人的には、この編の絶望感と緊張感が好きです。仲間が消えていくシーンは、何度読んでも胸が苦しくなります。
こんな人におすすめ:
- 一味の絶望を見たい人
- 超新星たちに興味がある人
- レイリーのファン
- ONE PIECEのターニングポイントを読みたい人
まとめ
シャボンディ諸島編は、麦わらの一味が完全敗北を喫した衝撃的なエピソードでした。
天竜人を殴るルフィ、黄猿の圧倒的な強さ、そして仲間が次々と消えていく絶望。全てが衝撃的で、ONE PIECEの流れを大きく変えました。
この敗北があったからこそ、2年間の修業があり、新世界で戦える力を手に入れました。
仲間が消えていくシーンは、何度読んでも辛いです。しかし、この経験がルフィを成長させ、より強い海賊へと導きました。
まだ読んでいない方は、ぜひこの機会に!ONE PIECEの転換点を体験してください!
シャボンディ諸島編を読むなら
シャボンディ諸島編は以下の巻に収録されています。
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