導入部分
キメラアント編の激闘の後、HUNTER×HUNTERは新たな章「会長選挙編」に突入します。ネテロ会長亡き後のハンター協会の新会長を決める選挙と、瀕死のゴンを救うためのキルアの奔走が同時に描かれます。この記事では、会長選挙編の魅力を、ネタバレありで徹底的に語ります。キメラアント編の重厚さとは対照的に、比較的短く明るい雰囲気の中で、重要なキャラクターの成長と再出発が描かれる編です。アルカの能力、ゴンとジンの再会、そして新会長レオリオの活躍が見どころです。
✓ この記事でわかること
- アルカ(ナニカ)の能力とキルアとの絆の物語
- ゴン復活とジンとの感動の再会
- レオリオがジンを殴り飛ばした名シーン
- パリストンVSチードルの会長選挙の行方
- 暗黒大陸編への布石と今後の展開
📖 読了時間:約8分 | おすすめ度:★★★★☆(キメラアント編後の癒しと再出発の物語)
基本情報
【会長選挙編 基本情報】
- 収録:単行本30巻〜32巻(第319話〜第338話)
- 主要キャラ:キルア、アルカ(ナニカ)、ゴン、ジン、レオリオ、パリストン、チードル、イルミ、ヒソカ
- テーマ:家族の絆、許しと再生、新たな旅立ち、ハンター協会の未来
- 舞台:ハンター協会本部、ゾルディック家
あらすじ
※ここから先、会長選挙編のネタバレを含みます
キメラアント編でゴンさんに変貌したゴンは、念能力を失い、生死の境をさまよっていました。キルアは、ゴンを救う唯一の方法として、妹(弟?)アルカに憑いている「ナニカ」の能力を使うことを決意します。
アルカの能力は強力ですが、恐ろしいリスクがあります。願いを叶えた後、次の人に「おねだり」をし、それを三回断ると、その人とその周囲の人間が死亡する。ゾルディック家は、この能力を恐れてアルカを幽閉していました。
しかし、キルアはアルカを深く愛しており、「おねだり」を回避する方法を知っています。キルアは家族の反対を押し切ってアルカを連れ出し、ゴンを救います。
一方、ハンター協会では新会長を決める選挙が行われます。パリストンとチードルが候補として名乗りを上げますが、選挙は混迷を極めます。そんな中、レオリオがジンを殴り飛ばすシーンが話題となり、一躍人気候補に。
最終的に、アルカの能力でゴンは復活。そして、ついに父ジンと再会を果たします。会長選挙では、パリストンが勝利しますが、すぐに辞退し、チードルが第13代ハンター協会会長に就任します。
こうして、ゴンの物語は一区切りつき、次の暗黒大陸編へと続きます。
この編の見どころ
見どころ1:キルアとアルカの絆
この編の最大の見どころは、キルアと妹(弟?)アルカの絆です。
アルカ(ナニカ)の能力:
- 願いを何でも叶える強力な能力
- 願いを叶えた後、次の人に「おねだり」をする
- おねだりを三回断ると、その人と周囲の人間が死亡
- 難易度は前回の願いの大きさに比例
ゾルディック家は、この能力を恐れてアルカを幽閉していました。しかし、キルアだけはアルカを家族として愛していました。
キルアには、アルカの「おねだり」を回避する方法があります。それは、アルカ(ナニカではない、本来の人格)を愛し、大切にすること。キルアがアルカに優しく接すると、おねだりのリスクがなくなります。
このキルアとアルカの関係性が、この編の最も感動的な部分です。家族から恐れられているアルカを、キルアだけが一人の人間として愛している。この愛情が、ゴンを救う奇跡を起こします。
見どころ2:レオリオの大活躍
この編では、久しぶりにレオリオが活躍します。
ジンがゴンの見舞いにも来ず、選挙の場で偉そうに振る舞っていることに腹を立てたレオリオ。彼は念能力で遠距離からジンを殴り飛ばします。
このシーンが中継され、ハンター全員が見ることに。レオリオの「仲間を大切にする熱い心」が評価され、一躍会長選挙の人気候補になります。
レオリオは結局会長にはなりませんが、この一件で彼の人気は急上昇。ハンター協会内でも一目置かれる存在になりました。
レオリオの真っ直ぐで熱い性格が、この編で改めて輝きます。
見どころ3:ゴンとジンの再会
ゴンの最大の目標だった「父ジンとの再会」が、ついにこの編で実現します。
アルカの能力で復活したゴンは、世界樹のてっぺんでジンと会います。二人は親子というより、友人のような軽い雰囲気で会話します。
ジンはゴンに、これからの冒険について語ります。そして、「自分で見つけろ」と言葉少なに励まします。
この再会は、感動的な親子の抱擁…というよりは、あっさりとした「これからもよろしく」といった雰囲気。これがHUNTER×HUNTERらしいです。
ゴンの長い旅の一つの区切りとして、非常に印象的なシーンでした。
見どころ4:パリストンの策略
ハンター協会副会長パリストンは、この編で暗躍します。
表向きは会長選挙に立候補し、圧倒的な人気で勝利します。しかし、その真の目的は別にありました。パリストンは、ネテロ会長の死後、キメラアントの卵を持ち出していたのです。
パリストンの真意は謎に包まれていますが、彼が何か大きな計画を持っていることは明らかです。会長に当選後、すぐに辞退し、チードルに譲ったのも、計画の一部でしょう。
パリストンの不気味さと、その先の展開への期待が高まる編でした。
見どころ5:イルミとヒソカの契約
この編では、イルミとヒソカが契約を交わします。
イルミは、アルカ(ナニカ)を殺すためにキルアを追います。ヒソカは、その手伝いをする代わりに、イルミに「クロロと戦う権利」を要求します。
この契約が、後の暗黒大陸編での重大な展開に繋がります。ヒソカのクロロへの執着と、イルミの冷酷さが表れたシーンです。
印象に残った名シーン・名言
キルアの「アルカは妹だ 家族なんだよ」
ゾルディック家の皆がアルカを恐れて「物」として扱う中、キルアだけはアルカを「家族」として愛しています。この一言が、キルアの優しさと強さを示しています。
レオリオの「ジンお前だけは許さねぇ!!」
ジンを殴り飛ばす前のレオリオの叫び。仲間を大切にする熱い心が爆発した瞬間です。このシーンで、レオリオの株は急上昇しました。
ゴンの「ジンに会えたら 何て言おうかずっと考えてたんだ」
ジンとの再会で、ゴンが言う言葉。長い旅の目標だった再会。しかし、実際に会ってみると、言葉は要らない。この不思議な親子関係が、HUNTER×HUNTERらしいです。
ジンの「俺はまだ あっちに行く」
ゴンを連れて行かず、一人で暗黒大陸に向かうジン。相変わらずの自由人ぶりですが、これがジンらしさです。
アルカ(ナニカ)の「キルア 好き」
キルアに対するナニカの純粋な愛情。恐ろしい能力を持つナニカですが、キルアだけには無条件の愛を向けます。この純粋さが、感動を呼びます。
キルアの「オレはアルカと旅に出る」
ゴンと別れ、アルカとの旅を選ぶキルア。ゴンとの友情も大切ですが、今はアルカを守ることが最優先。この決断が、キルアの成長を示しています。
キャラクター分析
キルア=ゾルディック:守護者としての選択
キルアは、この編で大きな決断をします。
ゴンを救うため、アルカの能力を使う。そして、アルカと共に旅に出る。ゴンとの友情も大切ですが、今はアルカを守ることが最優先。
この決断は、キルアが「他者を守る」ことに生きがいを見出したことを示しています。暗殺者として育てられたキルアが、誰かを守るために生きる。この変化が、キルアの成長の証です。
アルカ(ナニカ):愛される存在
アルカは、ゾルディック家で最も不遇なキャラクターでした。恐ろしい能力ゆえに、家族から恐れられ、幽閉されていました。
しかし、キルアだけはアルカを愛していました。そのキルアの愛情が、アルカの心を救います。
アルカ(本来の人格)とナニカ(能力を持つ人格)は、別々の存在のように描かれます。ナニカは恐ろしい能力を持ちますが、キルアには純粋な愛を向けます。
ゴン=フリークス:再生と再出発
ゴンは、この編で念能力を失い、普通の少年に戻ります。
ゴンさんへの変貌という代償として、念能力は失われました。しかし、ゴンは後悔していません。カイトを救えなかった自分を責め、全てを賭けて戦った。その結果を、ゴンは受け入れています。
ジンとの再会後、ゴンは故郷くじら島に戻ります。念能力を失ったゴンの次の旅は、どうなるのか?これは今後の物語の重要なテーマです。
レオリオ:仲間思いの熱血漢
レオリオは、この編で久しぶりに活躍します。
ジンを殴り飛ばすシーンは、レオリオの真っ直ぐで熱い性格を象徴しています。仲間を大切にし、理不尽なことは許さない。この姿勢が、多くのハンターの心を動かしました。
レオリオは会長にはなりませんでしたが、ハンター協会内での立場は大きく向上。今後の活躍が期待されます。
ジン=フリークス:自由な冒険家
ジンは、ついに本格的に登場します。
ゴンとの再会は、感動的な親子の抱擁…ではなく、あっさりとした「よろしく」といった雰囲気。これがジンらしさです。
ジンは、ゴンを愛していないわけではありません。しかし、自分の冒険を優先する自由人。この性格は、ゴンに似ています。親子だなと感じさせるシーンでした。
考察・伏線ポイント
アルカ(ナニカ)の正体
ナニカの正体は、暗黒大陸からの何かと推測されます。暗黒大陸編で、その謎が明かされる可能性があります。
ゴンの念能力は戻るのか?
ゴンは念能力を失いました。今後、念を取り戻すのか、それとも別の力を得るのか?これは重要な伏線です。
パリストンの計画
パリストンがキメラアントの卵を持ち出した目的は?彼の計画は、暗黒大陸編で明らかになるでしょう。
ヒソカとクロロの戦い
イルミと契約したヒソカは、クロロと戦う権利を得ました。この戦いは、後の暗黒大陸編で描かれます。
ジンの暗黒大陸への旅
ジンは暗黒大陸に向かいます。この冒険が、次の暗黒大陸編の中心となります。
他の編との比較
会長選挙編は、HUNTER×HUNTERの中でも比較的短い編です。
キメラアント編の重厚で絶望的な雰囲気とは対照的に、明るく希望に満ちた雰囲気が特徴です。ゴンの復活、ジンとの再会、そして新たな旅立ち。全てが「再生」をテーマにしています。
戦闘シーンは少なく、キャラクター同士の会話や心理描写が中心。キメラアント編の後日談的な位置づけで、次の暗黒大陸編への橋渡しとなる編です。
個人的には、キルアとアルカの絆が非常に感動的でした。家族から恐れられているアルカを、キルアだけが愛している。この純粋な愛情が、ゴンを救う奇跡を起こす。美しい物語でした。
こんな人におすすめ:
- キルアとアルカの関係性が好きな人
- ゴンとジンの再会を見たい人
- 明るく希望に満ちた物語が好きな人
- レオリオの活躍を見たい人
- キメラアント編の後日談を知りたい人
会長選挙編を読むなら
会長選挙編は以下の巻に収録されています。
まとめ
会長選挙編は、キメラアント編の激闘の後、明るく希望に満ちた再生の物語でした。
キルアとアルカの絆、レオリオの大活躍、そしてゴンとジンの再会。全てが「新たな旅立ち」を予感させる素晴らしい展開でした。
特に、キルアがアルカを守ることを選び、ゴンと別れて旅に出る決断は印象的でした。ゴンとの友情も大切ですが、今はアルカが最優先。このキルアの成長が、感動を呼びます。
ゴンとジンの再会も、HUNTER×HUNTERらしいあっさりとした雰囲気で良かったです。感動的な抱擁ではなく、「これからもよろしく」といった軽い感じ。でも、それがこの親子らしい。
次の暗黒大陸編では、ジンたちが未知の大陸へ向かい、さらに壮大な冒険が展開されます。しかし、現在も連載は不定期で、物語の続きが待たれています。会長選挙編は、一つの区切りとして、非常に満足度の高い編でした!
🔗 関連記事リンク(内部リンク)
【前の編】HUNTER×HUNTER「キメラアント編」の感想と見どころ
**【次の編】**HUNTER×HUNTER「暗黒大陸編」はいつ連載再開?最新情報まとめ
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